林修先生がテレビ番組等で数学の重要性を何度も訴えてくださっているようです。 他のページでも同じ話題を扱ったので、少しくどいようですが、林先生のご発言の紹介とともに、 私なりの意見を書いてみたいと思います。
このようにテレビなどで何度も言っていただけるのは、本当にありがたいもの。 ただし、数学を他の教科よりも重視している生徒は、すでに全体的に成績が良い場合が多いです。 数学だけが突出してできて、他の教科がボロボロという生徒はあまり見たことがありません。
数学ができる高い『基底能力』があれば、中学の理科・社会・英語は、比較的楽に伸ばすことができるからです。
問題は、今まで数学を軽視してきた生徒が、こう言われただけで重視する考えに 切り替わるかというと、それが難しいことでしょう。
圧倒的に数学が大事と言われて、「ふーん。そうなのか。」と思ってみたところで、 どう大切かが実感できなければ何も変わらないと思います。
数学ができるようになるから物の捉え方が変わるのか、 物の捉え方が変わるから数学ができるようになるのか、どちらが先かは微妙なところです。 ただ、今までと同じことをしていたのでは何も変わらないのですから、何らかの変わるキッカケがないといけません。 そのキッカケを与えるものが『積極的な数学の学習』であると考えられます。
最初の段階ではできなかった感覚が、数学を学ぶ過程においてコツをつかみ、 それがいろいろな場面で応用ができるようになる。 結果として、物の捉え方が変わったということになります。
物の捉え方が変わると、たとえば社会科の歴史の流れを“因果関係を理解して捉える”ことができようになったり、 科学における法則を成り立ちからしっかり理解し、他へ応用できるようになります。 つまり、他の教科に、その思考形態が影響するということです。