【こがねい数学塾】小金井市の塾、進学塾

やらせ過ぎ

別のページで、宮本算数塾の宮本先生の『強育論』の本をご紹介しましたが、 その書籍の冒頭部分「まえがき」に掲載されていた文章がとても良いので、ご紹介したいです。 私も教育者としてとても共感できる内容でした。まずは、お読みください。私の感想は、そのあとに書きます。

本の紹介

勉強という言葉はどうも好きになれないなあ、という人は少なくないでしょう。 理由を考えてみました。「強」という字には二通りの意味があります。

ひとつ目は「つよい」という意味で、強者、強化、強大などの熟語があります。こちらには悪い印象はないでしょう。 ふたつ目は「しいる」という意味で、強要、強奪、強盗などの熟語があります。ろくでもない言葉ばかりです。 そして、勉強という言葉は後者のグループに入るのです。つまり、勉強の「強」は強盗の「強」だったのです! これでは好感を持たれないのも仕方ありません。

これに対して学習という言葉にはあまり抵抗を感じませんね。むしろ、「やってみたいな」という気持ちを起こさせる言葉だと思います。 そこで、本書ではなるべく勉強という言葉を学習という言葉に置き換えてみました。ささいなことですが、大切なことです。 「勉強しなさい!」と言われて喜んで取り組む子はまずいないでしょう。でも、「学習しよう!」なら乗ってくると思いませんか?

つらくて暗い勉強を明るく楽しい学習に変えましょう!

私は中学受験に長く関わってきましたが、こちら側が余分な力を抜けば抜くほど、子供が伸びるようになりました。 現在、無試験先着順で、小学3年生のお子さんからお預かりしておりますが、 最終在籍者の85%以上の生徒は、開成、麻布、栄光、筑波大学付属駒場、駒場東邦、桜蔭、フェリスのいずれかの学校に進学しています。

でも、内部・外部を問わずいろいろな親御さんとお話ししてみると、当たり前のことですが、中学受験で失敗している人のほうが、 成功している人よりも圧倒的に多いのです。失敗した原因はほぼひとつに絞られます。

「やらせ過ぎ」

学習量が足りなくて落ちた話などまったく聞いたことがありません。そして、失敗した話ばかりが大げさに広まっています。 「小学3年から塾に週5日も通い、家庭教師もつけ、毎晩、夜中過ぎまで勉強していたのに受けた学校に全部落ちた・・・。」

そんな生活をしているから落ちるのです。そもそも中学入試を目標においていること自体が間違いです。 学習は強い人間として成長するために必要なのであり、中学入試での合格など、行きがけの駄賃くらいに思えばいいのです。

子供の生命力をすり減らすような勉強はやめましょう。 無駄なことに力を入れ過ぎて不幸になる人がひとりでも減ることを願って本書を世に送り出します。

宮本 哲也

いかがでしたでしょうか? 親御さんや塾の先生の中には、ガンガン子供に指示をだして、たくさんの勉強をやらせたいと思われる方が多いかもしれません。

私も、元々競泳を長くやってきて体育会あがりの根性主義の人間でした。 しかし、先生や親など子供よりも強い権力を持った人間が「やらせる」ということには、とても疑問を感じます。

勉強を「やらされている」うちは、何も伸びないと思うのです。 やっぱり、少しでも楽しいな、面白いなと感じてやってもらいたいです。

だから、安易に強制力でもって「やらせる」ことをせず、自主性を信じたいと思います。

消化不良

やらせ過ぎて失敗する原因としては、消化不良を起こすからでしょう。

食事を例に考えてみます。

ほらっ!この食べ物はたっぷり栄養が入っているんだよ!さあ。お食べ!!

子供が食べたくない!まずいから嫌だ!と言っているのに強制的に口を開けさせ、どかどか食べさせても、すべて吐き出してしまえば、栄養になりません。

生徒が吸収できる適切な量を与えることが大切だと考えます。 そして、まずいから嫌だ!という勉強を美味しい勉強に変えるのが教育者の務めだと思っております。

「あ、私・・・。もしかして、これ、好きかも・・・。」

そう言ってくれるまで、あせらずに見守りたいと思います。